半透明に覆う

ガラスが覆う波。

僕を僕たらしめている。

辺りを見渡して、ガラスがない葦。

たらしめる葦が、どこにもないよ。

 

たらしめなくても生きていける、

僕の居場所が、どこにもないよ。

形状記憶合金。

サルエルパンツからスキニー。

君はきっと、気づかないんだ。

 

卓越した思考が、優雅に僕を占めた。

このままじゃ酸素、取り込めないよ。

僕が殺した君の魅力が、

簡単に抜き取られちゃう。

だから僕は、君を捨てたの。

 

今しかないって簡単に言うね。

鼓動と脈拍、止めてからおいで。

後でだなんて言っちゃだめだよ。

それなら君の価値、

ありふれちゃうもん。

 

偉大な彼が避けられてるのを見たあなた。

どうして顔を、歪めたのでしょう。

盲目に踊る、過去の自分を責めたのなら、

安心してね

あなたは十分に、無二のない個体だ。

 

動脈が静脈へ派生する振動数。

君はもうすぐにそれを得るだろう。

でも、僕は君を愛しているから。

君の不動を願うことはできないよ。

 

僕が抱きしめた君はひどく苦しそうで、

愛と理解に飢えているようだ。

君の頬を伝う露は粘土のような味で、

君は、強く抱きしめながら僕を責めた。

弾力が誇張する生命が、君をよりいっそう苦しめる。

 

だって、最後に笑顔で僕を見たから。

ごめんね。

 

君が語る愛がそんなに浅はかだとは思わなかったんだ。

語られる愛がひどく歪んで、ちっぽけに見えたんだ。

 

苦しいよね、

きっと、これがジレンマ。

普遍を以てこれを正す、なんていらないよ。

そんなのいらないよ。

君に、そんなのいらないから。

 

だから、勝手に消えないで。

君が消えたら、僕。

いっと、なにもかも嫌になっちゃう。

 

あ、まただ、やめてよ。

僕の長所、一般論で叩かないで。

僕の唯一を、君の普遍に宿さないで。

 

冷酷であろうとする眼が、

冷たく僕を貫く。

君たちの優秀論が、

僕たちを苦しめているって

どうして気づかないんだ。

 

僕たちの思惑が浅はかなのも、

ちっぽけなのも、

まったくの無責任だってことも、

もう、聞きあきたよ。